森と里山の豊かさを守ろう 藤野SDGsツアーレポート 2024年3月20日(祝)

森と里山の豊かさを守ろう 藤野SDGsツアーレポート 2024年3月20日(祝)

まだ少し肌寒い春分の日に、森と里山の豊かさを守ろう藤野SDGsツアーを開催しました。
森と里山の豊さと課題を学びながら、防災時に役立つ植物を観察し、採取した野草を調理試食するという盛り沢山な内容です。

講師は藤野の植物生き字引、池竹則夫さん。
森の現状や、普段は見向きもされない野草の魅力の普及に尽力され、
パーマカルチャーの講師や、植物・鳥類の調査員として全国を飛び回っています。

今回のフィールドは、すぐそばに森がある藤野里山交流協議会の中心団体、農業法人 藤野倶楽部の畑で行いました。
畑の目の前にあるブルックリンスタイルを取り入れたおしゃれな宿泊施設「新無形の家」で集合し、早速植物観察をスタート。

歩き始める前から足元にある野草を観察。
10歩進む間に、食べられる野草が10種類以上もあることに皆さんビックリ!
畑作業されている農家さんも近づいて来て、「こんな雑草食べるんかい!」と驚いていました。

配布資料を説明しながら、葉の付き方など実際にどうなっているのかを観察採取します。
1枚の葉だと思っていたものが違っていたり、葉っぱ1枚だけでも知らないことばかりに気付きます。

観察しながら、昼食になる野草を採取していきます。
根こそぎ取らないなど、命をいただくことを大切にしながら、お子さんは喜んで沢山採取してくれました。
食材を自然からいただくという行為自体、都会の人には珍しい事になってしまったと感じてくださる方も。

西の方から雨雲が近づいて来るのを見て、早めに新無形の家で昼食作りを開始。
メニューは、ヤブカンゾウの酢味噌和え、たんぽぽの根のきんぴら、コハコベの味噌汁、天ぷら(蕗の薹、ノビル、たんぽぽの葉、カラスノエンドウ、ヨモギなど)、蕗の薹のオニグルミ和え。
天ぷらはアクが弱いものから揚げていくなど、野草を調理するコツも伝授します。

出来上がった野草料理をいただいたら、その美味しさと簡単さに全員が感嘆!
「こんなに美味しいとは!帰ったら自宅の周りの野草で作ります。」との嬉しい声も。

昼食後雨が上がったので、森の観察へ。
新無形の家から森まで3分で行けるので、もし雨が降ってきてもすぐに戻れるのは安心です。
森に入り、日本の森の現状、問題点をレクチャーしていただきました。
ナラ枯れの木、倒木、脆弱な根の木、土壌環境、獣害、森林や里山の様々な問題を実際目の当たりにし、そこから自分が何ができるかを考えました。

風が強くなってきたので外で火を焚く事はやめ、室内にある囲炉裏で火起こしの仕方を学びました。
落ちていた杉の枯れ葉は簡単に火がつき、オニグルミの殻が着火剤のように勢いよく燃え上がるのには驚くばかり。

最後の質疑応答の時間では大いに盛り上がり、次回はもっと長い時間学びたいので宿泊込みで参加したいとのご意見や、
森と里山の現状、防災時に役立つ野草について、実際に現地で体験することの重要さを語ってくださる方もいらっしゃいました。

「また来ます!」
帰り際の参加者の皆さんのお言葉に胸が熱くなりました。