
Thai terrace Ledu(タイ テラス ルドゥ)
日常の喧騒を離れた空間で、細部まで感覚を研ぎ澄ませてつくられたタイ料理を味わう

藤野駅前の住宅地を抜けた先、山が深くなり始めたところにあるタイ料理レストラン「Thai terrace Ledu(タイ テラス ルドゥ)」。アーティストのアトリエやショップが並ぶ「藤野アートビレッジ」の敷地内に建つ一軒家レストランだ。隣接して宿泊&体験施設「藤野芸術の家」もあり、週末は観光客で賑わう。

建物に入ると、天井の高い空間にスパイスとハーブの香りが漂い、たちまち食欲が刺激される。オーナーの深沢次郎さんこだわりの一枚板の大きなテーブルやジャワ島のアンティークチェアをゆとりをもって配置しているため、窮屈さは微塵もない。自慢のテラス席では山々が連なる絶景を独占しながら、ゆっくりと食事を楽しむことができる。

食事は、グリーンカレーやガパオライス、カオマンガイ(1日5食限定)といったタイ料理の定番メニューに、2ヶ月に1度、季節のおすすめメニューが加わる。「せっかくのいい環境なので、時間を気にせずゆっくり過ごしてもらいたい」と、食事だけでなく、スイーツやドリンクメニューも充実させた。友人同士や家族で来て、何時間も過ごす人もいるそうだ。

空間に負けじと料理も本格的。グリーンカレーのペーストは、クロックヒンというタイの石臼を使って手づくりしている。レストランの裏の畑ではホーリーバジルを栽培し、収穫できる時期は摘みたてを料理に使う。
自家栽培のバジルは「香りが全然違う」と深沢さん。
今後はレモングラスなど、ほかのハーブも栽培していく予定。
料理のおいしさは口コミで評判となり、平日は地元の方々、週末は観光客に加え、ルドゥのタイ料理を食べるためだけに遠方から足を運んでくれる人もいる。
ルドゥの料理がそこまでおいしい秘訣はどこにあるのだろう。

「僕もなんだろうなと思っていて。でも1回ね、指を怪我したとき、手袋してつくったことがあったんです。そうしたら感覚が全然違ってしまって。これはダメだ、ミリ単位の細かい感覚の違いがおいしさにも出るんだなと思いました。春巻なんか、もう1000本ぐらいつくったと思うけど、何百本目かにふと力の入れ具合がわかった瞬間がありました。それだと、まとまりながらもふわっとした仕上がりになる。僕は料理人というキャリアがあるわけではないので、やりながら勉強している感じ。だから、オープンしたときよりも進化していると思うし、どんどんおいしくなっていっていると思います」

実は深沢さんのもう一つの職業は、プロのカメラマン。
店内にも作品が飾られているが、雑誌や広告の撮影、写真展、写真集の出版など、精力的に活動を続けている。
もともと料理をするのは好きで「山の中で本格的なタイ料理が食べられたら面白いのに」と以前から妄想していたところ、この建物が空き、妄想を現実にできるのではと思い始めて一念発起したという。
やるからにはおいしい料理を提供したいとタイ人シェフの元に学びにも行った。
「やってみてわかったのは、飲食店って本当に大変だということ。それでも楽しい、続けたいと思うのは、相手の反応がダイレクトに返ってくるから。『本当においしかった!』って直接言われて、ニコニコして帰っていってくれるのがすごく嬉しいんですよね」と深沢さん。

2023年4月にオープンしてはや2年。ようやく少し余裕が生まれ、現在は、いつかやりたいと考えていた夜営業の準備中だ。2025年春ごろには、まずは週末のみスタートする予定。タイ料理に合うワインをセレクトし、ワインとタイ料理のおつまみをゆっくり楽しめるようになるそうだ。
里山のロケーションをフル活用した居心地のよい空間で味わうおいしいタイ料理は、日常から少し離れた癒しの時間を提供してくれる。
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「Thai terrace Ledu(タイ テラス ルドゥ)」
神奈川県相模原市緑区牧野5570
JR中央本線藤野駅よりバス「やまなみ温泉行き」にて、バス停「藤野芸術の家」下車、徒歩1分
中央自動車道相模湖ICより車で約8分
TEL:042-682-0033
営業時間:11:30〜15:00
定休日:月・火(不定休あり)
駐車場あり
https://thaiterrace-ledu.com/
https://www.instagram.com/ledu_thaiterrace