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体験 / 食事

江戸時代体験 ~縄ない、羽釜料理、侍体験~

2月17、18日、江戸時代を体験できる、という一風変わったモニターツアー「江戸時代体験 ~縄ない、羽釜料理、侍体験~を開催しました。

初日は縄ない作りと羽釜を使ったすいとん作りの体験です。
講師は地元在住の尾崎ちえみさん。里山では、縄ないは日々の暮らしに欠かせない作業だったそう。
ポイントは藁を水で濡らし、棒で叩いておくこと。水に濡らすと硬い藁が柔らかくなって加工しやすくなり、叩くことでしっかりと強度を出すことができます。
そうして藁をよじって縄にしていくのですが、やってみると簡単なようで難しく、なかなかピンと張った縄はできません。
昔の暮らしの大変さが実感できました。

お昼ごはんは、みんなですいとんを作ります。
すいとんは、田んぼが少なかった藤野地域で、毎日のように食べられていた郷土料理のひとつ。
会場の結の家の薪ストーブに羽釜を設置し、ぐつぐつ煮込まれた野菜の中に、水で硬く溶いた小麦粉を、スプーンで落としていきます。
味付けは手作りの味噌。さらに煮込むとおいしいすいとんの完成です。
体が芯から温まるおいしさで、この日は地域の方々も差し入れを手に遊びにきてくださり、賑やかな昼食となりました。
また、手作りのこんにゃくの試食なども用意されていて、里山の昔ながらの食事を体験してもらうことができました。

2日目は、なんと侍体験! 講師は刀道四段・錬士の後藤佑介さんです。
昔は剣術の鍛錬のため、「巻藁」という、藁を棒状にしたものをつくり、刀で切っていたそう。
現在は簡易的に畳の表を丸めて使う場合が多いそうですが、この日は藁の活用方法のひとつとして、実際に藁を使った巻藁を作りました。
こちらも縄ないと同様、強度を出すためと、しっかり切りやすくするために、3日前から藁を水につけておきます。
「より実戦的な巻藁だと、竹を骨に見立てて、藁を巻きつけるやり方もあります」と後藤さん。今回は切りやすいように、竹はないものを作りました。

巻藁完成後は、模造刀で振りの練習。
その後、いよいよ真剣で、巻藁を切ります。ほとんどの人が剣を握るのは初めてでしたが、面白いようにきれいに切れ、どの参加者もめったにできない体験に、とても楽しそうにしていました。
子どもたちは危なくないように、後藤さんがしっかりサポート。
子どもの力でもきれいに巻藁が切れていくのは、見ていても面白かったです。
なかなかできない貴重な体験が楽しめた2日間でした。